「他人と同じは嫌だ」と思った時点で、それは他人(みんな)と同じではないか。そう思ったという話である。
バイクでも車でもファッションでも何でもそうだが、他人と同じものを持ちたくないと思うことはある。それが一概に悪いとは言わないが、私としては「他人と同じが嫌だ」と思うだけだと、それはもう既に他人と同じではないかと思うのだ。なぜなら、皆がそう思っているからである。
皆が「他人と同じは嫌だ」と思っている。こんな記事を書いている私だってそうだ。ではどうするか。私の答えはこうである。
「他人と被るかどうか」以外の理由でモノを選ぶのだ。自分なりのモノ選びの哲学を明確にしよう。逆に言えば「自分の哲学と照らし合わせて選んだモノがたまたま他人と被らなかった」ということなら全然アリである。とにかく私が言いたいのは、「他人と被りたくない」という一点だけでモノを選ぶのはどうだろうか、ということだ。
皆が選ぶモノは良いモノである。良いモノだから選ばれているのだ。にもかかわらず、他人と被るのが嫌というだけで選択肢から排除するのは非常にもったいない。個人的には、何かの購入を検討する上で「他人と被るかどうか」といった要素の優先順位は下げてしまっても全く問題ないと思う。
私自身、趣味で乗っているバイクはNinja400というよく見かけるモデルであるし、バイクを買うまで日常で使っていた自転車もGIANT製の安いモデルばかり乗っていた(今は自転車を持っていないが)。いずれも日本全国どこでも見られる商品であり、被りまくりである。
しかし、この二つを選んだ理由は明確にある。まずNinja400だが、これは住んでいるアパートの駐輪場の環境に適していたのだ。バイク置き場として開放されているスペースは狭く、住人のバイクや自転車が所狭しと並んでいて、出し入れの際は細かい切り返しを何度も何度も行う必要があった。そんな状況ではNinja400の車体の軽さとコンパクトさが光る。もし200kgもあるバイクを買っていたら、外へ出すだけで大変な苦労を強いられ、嫌になって乗らなくなっていただろう。
見た目もスポーティーで好み(特に顔が好き)であるし、車体は小柄だが排気量は400ccあるので高速道路でも車の流れに乗ることができる。また、スポーツモデルにしては乗車姿勢が楽で長時間乗っていても疲れない。これらの(私にとって)重要な要素をすべて満たしてくれて、お値段的にもなんとか許容範囲で、予約しなくてもすぐ買えるバイクはNinja400しかなかったのである。実際買ってみると、私の生活環境やバイクへの向き合い方にマッチして良い感じだ。
GIANTの自転車も私にとってはメリットが大きかった。他メーカーと比較してリーズナブルなわりに性能は必要十分である。ママチャリしか乗ったことがないような人が乗ると、ビックリするくらい速く走れる。どこの自転車店でも取り扱っている商品ゆえに整備や修理も頼みやすいから、日常の足としてガンガン使っていけた。
あと防犯性だ。誇張抜きで一日一回は見かけるから街に溶け込んで悪目立ちせず、他人の自転車を盗むバカ共から狙われにくい気がする。気がするだけだが。とにかく気軽で速くて便利であった。
クソ狭い駐輪場でも取り回ししやすく、見た目が好みで走行性能も十分なNinja400。価格が高すぎず気軽に乗れて、比較的盗まれにくく、その上しっかり高性能なGIANTの自転車。いずれも私にとっては良い選択だったと思う。「他人と被るから」というだけで他の商品を買っていたら、最初は良くても後々頭を抱えていただろう。
このように、所有物そのものが他人と被っていたとしても、自身の考え方・価値観・信念のもと選んだモノであれば、その時点で十分に他人と差別化されている。愛着も湧くので他人から何と言われても気にならない。
モノを買う上で、自分が本当に大事にしたい価値観は何だろうか。そこをもう一度よく考えてみれば、わざわざレアな商品を探す必要はないかもしれない。ぜひ皆さんもやってみてほしい。