自分の人生を、自分という唯一無二の存在に執着すること。それこそが一度きりの生を全うするための最も有効な手段ではなかろうか。

私が執着を肯定するのはそれが困難に直面した際の最後の防波堤になるからだ。人生は往々にして残酷で私たちの尊厳を奪い、情熱を摩耗させようとする。絶望の淵に立たされたとき、私たちを繋ぎ止めるのは「高尚な理念」などではない。「まだ終わりたくない」「もっとこの世界を味わいたい」という剥き出しの執着心である。執着があるからこそ私たちは倒れてもなお地面を這い、再び立ち上がる理由を見出すことができる。執着とは自分自身を見捨てないという決意の同義語なのだ。

自分の掌の中にある運命をどうにかして輝かせようと足掻くことに遠慮はいらない。私たちはいつか必ず死ぬ。その抗えない虚無に私たちができる唯一の抵抗は終わりの瞬間まで自分の人生を離さず、執拗に慈しみ抜くことだ。私は自分の人生に飽きることを拒絶する。