どうしようもない憂鬱に支配されそうになることがある。
目が覚めた瞬間から体が鉛のように重い。これまで楽しかったはずの趣味には身が入らず、未来に対する漠然とした不安と、現状に対する言いようのない不満が混ざり合い霧のように思考を塞ぐ。
しかしこの暗闇とは、私がこれまでとは違う「新しい自分」へと生まれ変わろうとするその前兆なのではないだろうか。
物理法則に「作用・反作用の法則」があるように、人間の精神世界にも似たようなメカニズムが働いているのではないか。新しい自分へ変わろうとする力が大きければ大きいほど現状に留まろうとする揺り戻しの力も強くなる。
襲い来る憂鬱は、まさにその揺り戻しの力が生み出した強力なブレーキの音なのだろう。
思えば今の私は人生の大きな転換点に立っている。これまでの居心地の良い場所(コンフォートゾーン)から抜け出し、未踏の領域へ一歩踏み出そうとしている。深層心理ではその変化を強く望んでいる一方で、未知への恐怖や、慣れ親しんだ過去を失うことへの執着も同時に存在している。
もし私が今のままでいいと心底思っているのなら葛藤は生まれない。現状維持は楽だ。変化を望まなければ心は波立つことなく平穏を保っていられる。しかし平穏を捨ててでも進むべき道がある。
その意志があるからこそ、反動としての憂鬱もまた強烈なのだ。
これは、私たちを苦しめるためだけの感情ではない。
この重い憂鬱を、自分が進化していることの証拠としてポジティブに捉える。それが「新しい自分」に出会うための唯一の道であると信じている。