努力を周囲にアピールすることで応援や協力を得られる、モチベーションが上がる、といったメリットがあるように感じられる。しかしその裏には成功を阻む恐ろしい罠が隠されているのだ。
努力をアピールすれば当然周囲からの視線や評価を意識することになる。称賛や応援が得られれば承認欲求が満たされ一時はやる気が出るかもしれない。しかしそのやる気は外部からの評価に依存した脆弱なものである。 もし思ったような評価が得られなかったり批判的な言葉をかけられたりすればモチベーションは一気に低下する。また周囲の期待に応えようとするプレッシャーも生じ本来の目標から逸れてしまう可能性もある。
努力をアピールすることは自分自身の心のありようにも悪影響を及ぼす。 努力を人に話すことですでに何かを達成したかのような根拠のない「達成感」を得てしまうのだ。心理学の研究でも目標を人に話した人は、話さなかった人に比べて目標達成のための行動を起こさなくなる傾向があることが示唆されているらしい。これは目標を話すことで得られる承認欲求の充足が脳を満足させ、さらなる行動への意欲を奪ってしまうからだと考えられる。
ではなぜ「努力を見せない」ことが成功の確率を上げるのか。それは努力を内に秘めることでエネルギーを集中させ持続的なモチベーションを維持できるからだ。 努力を誰にも言わずに黙々と続けることで自分自身の内なる声と向き合い、真の動機付けを見出すことができる。周囲の評価に惑わされることなく自分が本当にやりたいこと、達成したい目標に向かって、迷いなく進むことができる。 また努力を秘密にすることは自分自身に対する「約束」のようなものになる。誰にも言わずに努力を続けることは自分自身の強い意志と規律を必要とする。この過程で自己規律と自己信頼が育まれ、目標達成に必要な精神力が鍛えられる。
さらに努力を秘密にすることは予期せぬ障害や批判から自分を守ることにもつながる。良かれと思ってなされたアドバイスが実際には邪魔になることもある。 努力を秘密にしておけば外部からのノイズを遮断し自分のペースで着実に目標に向かって進むことができる。
「努力の成果」は成功した後に、静かに周囲に示すだけで十分だ。