「人生は不公平だ」と嘆く人は多いがそれは真実だ。生まれた環境、容姿、才能、そして運。スタートラインにおいて不平等極まりない。どれほど努力しても最初からすべてを手にしている者に勝てない局面は多々ある。そして、その不公平さに対して誰かが責任を取ってくれるわけでも救いの手を差し伸べてくれるわけでもない。
この現実に直面したとき甘い期待は「重荷」へと変わる。「もっと良くなるはずだ」「誰かが助けてくれるはずだ」という期待はそれが裏切られた瞬間に深い絶望と怒りを生み出す。私たちはその期待という幻想を維持するためにどれほどの精神的エネルギーを浪費していることだろう。
だからこそ人生に対して甘い期待は抱かないほうが賢明である。これは決して悲観主義に陥り、すべての希望を捨てろということではない。そうではなく現実をありのままに直視し淡々と生きていく覚悟を持つということだ。
期待を捨てることは逆説的に私たちに「強さ」をもたらす。
「努力は必ず報われる」という言葉は、美しい嘘だ。努力が報われる保証などない。しかし努力をしなければ成功の可能性はゼロである。私はその残酷な確率論を理解した上で努力する道を選びたい。結果に期待するのではなく、ただその瞬間にできる最善を尽くす。それこそが容赦のない人生に対する、唯一の対抗策である。
甘い期待を捨てれば他者に対しても寛容になれる。他人は私の期待を満たすために存在しているわけではない。他人が私の思う通りに動かないのは当然であり、冷たくされても裏切られてもそれはその人の自由である。そう思えれば人間関係の悩みは大幅に軽減される。
私は、その厳しくもリアルな道を歩む覚悟を持ち続けたい。